中国拠点の社長室に出向し社長の理念や意思を伝える役割を担う
金剛石電気(蘇州)有限公司
私はアメリカで生まれ、小学校から高校までを中国で過ごし、その後日本に移り住みました。日本の大学の理工学部を卒業後、技術者として入社し、主人と知り合ったのもこの会社でした。
しかし、入社後に「私は技術職に向いていない」と思い始め、6年間頑張って勤めたのですが、自己都合により退職しました。その後、全く畑の異なる医療メーカーで働いていました。
2018年頃、ダイヤモンド電機が田淵電機を子会社化し、新たに就任した小野社長の言葉がメディアで報道されました。社員のことを「働く仲間」と呼び、「働く仲間達と一緒に頑張りましょう」と力強く呼び掛けていたのがすごく印象的で、「この人と一緒に働きたい」と思うようになりました。
再入社後、しばらくして、当社の海外拠点の1つである中国・蘇州へ出向が決まりました。私は幼少期から中国で暮らしていたので、適任だと社長が判断したのかもしれません。
中国の職場では、通常の社長室の業務以外にも、いろいろなことを任されます。私が一番注力したのは工場内の環境整備でした。着任後、毎朝業務時間内に10分間、全員で工場内を清掃する時間を設けました。最初は「なんでこんなことをするんだ」という反発の声が多かったのですが、私自身が朝早く出社して率先垂範してみせることで、徐々に意識が変わりました。職場を清潔に保つことで労働環境が改善され、品質向上にもつながりました。2020年には、取引先の大手自動車メーカーからこうした取り組みが認められ「品質賞」を頂きました。
中国の職場の雰囲気は、非常にいいです。みんな明るくて活発。若い女性社員が多く、休憩時間になると「あそこの店のランチは美味しい」とか「○○社の化粧品はいい」なんていう話で盛り上がります。
私と同じ共働きの女性も多いので、フレックスタイム制度がきちんと整備されています。なかには遠方からの通勤で、フルタイムで働いている子育て世代の母親もおり、まだ小さなお子さんを職場に連れてくることもあります。そういう社員のために、2020年、社内に授乳室が設置されました。お子さんが急に熱を出したりしたときには、他の社員がみんなでフォローするなど、社員同士の結束も固く、小野社長が言っていた「働く仲間達」という言葉を改めて実感しています。